CRPS(RSD・カウザルギー)の後遺障害
CRPS(RSD・カウザルギー)の症状や後遺障害、損害賠償請求について解説します。
CRPSとは
正式名称は「複合性局所疼痛症候群」という傷病です。
CRPSの症状としては、怪我の治療を終えて外傷による痛みは治まったにもかかわらず
▽ 腫れが引かない
▽ 皮膚の色が異常になる
▽ 焼けるような痛みやしびれ(灼熱痛)を生じる
などが挙げられます。
医学的な原因は、神経伝達物質によって発生した痛みが交感神経を刺激することで、それがさらに二次痛を呼ぶ悪循環が作られる仕組みとされています。
また、CRPSは「症候群」という呼び名が表すように様々な原因による症状の総称で、詳細にはRSD(CRPSのtypeⅠ)とカウザルギー(CRPSのtypeⅡ)の2種類に分けられます。
RSDとカウザルギーの違い
RSDとカウザルギーの違いは「末梢神経を損傷しているかどうか」という点です。末梢神経が損傷を受けていたらカウザルギー、受けていなかったらRSDです。
両者は、ほぼ同じ症状が出ます。
カウザルギーと後遺障害等級
カウザルギーの場合、認められる可能性のある後遺障害等級は以下の通りです。
▽7級4号
▽9級10号
▽12級13号
カウザルギーで後遺障害認定を受けた場合には、認定された等級に応じた賠償金を請求できます。
7級の場合、後遺障害慰謝料は1000万円となり、後遺障害逸失利益も数千万円単位になります。
12級の場合でも後遺障害慰謝料が290万円程度、後遺障害逸失利益は1000万円以上になる可能性があります。
RSDと後遺障害等級
RSDの場合、相手保険会社から「素因減額」を主張される場合があるので注意が必要です。
末梢神経の損傷がないことから、「被害者の精神的な要因がRSD発症につながっている」と主張されてしまうのです。
しかし、RSDの場合でも、以下の3要件の全てに当てはまることを条件として上記の等級が認められることがあります。
① 関節拘縮
② 骨の萎縮
③ 皮膚の変化(皮膚温度や色の変化、乾燥など)
*CRPSになってしまった場合、ご本人は根気よく治療やリハビリを続けながら、後遺障害認定に関して諸々の手続きを進めることになります。対応に迷われたり、治療との並行作業に負担を感じておりましたら、ぜひ当事務所までご相談下さい。