腱板損傷の後遺障害
以下では、「腱板損傷」の症状と後遺障害、損害賠償請求について解説します。
腱板損傷の症状
腱板損傷とは、肩の「腱板」にダメージを受けた場合に起こる傷病です。
腕を動かす時、例えばばんざいの姿勢を取ろうとする場合には、肩の筋肉と腱板が協調して動く必要があります。ところが、交通事故で肩部分を強打すると、腱板が断裂してしまうことがあります。これが「腱板損傷」です。
症状は、非常に強い痛みです。痛みが強いため、肩部分だけではなく全身に痛みを感じることもあります。また、自力で腕をあげられなくなることも多く、腕をあげるために支えたもう片方の手を離しますと、あげていた腕が下に落ちてしまう状態になります。
腱板損傷で認定される後遺障害の等級
腱板損傷は、治療をしても完治せずに後遺症が残ってしまうケースがあります。
腱板損傷の後遺障害には、次の2種類があります。
▽ 肩関節の「可動域制限」
可能性のある等級…8級6,10級10号,12級6号
▽ 痛みやしびれなどの「神経障害」
可能性のある等級…12級13号,14級9号
後遺障害等級 認定の難しさ
後遺障害認定を受けていることが必要になる損害賠償があります。
後遺障害認定を申請するには、「交通事故によって」腱板が損傷したことを証明する必要があります。
しかし、腱板は加齢によっても損傷しますので、損傷の原因が交通事故であることの証明が非常に難しいことがあります。
また腱板損傷の場合、事故当時には肩だけではなく全身に痛みを感じることがあり、肩に関する痛みの記録があまり残っていないケースがみられます。
肩に違和感を感じたら、早めに医師に申告して、診療記録に残してもらいましょう。
腱板損傷で請求できる賠償金
腱板損傷になった場合、以下のような賠償金を請求できます。
▽ 治療費 ▽ 付添看護費用
▽ 入院雑費 ▽ 通院交通費
▽ 休業損害 ▽ 入通院慰謝料
▽ 後遺障害慰謝料 ▽ 後遺障害逸失利益
*後遺障害等級認定の手続きでは、弁護士に任せると適切な認定を受けやすくなることがあります。
交通事故で「腱板損傷」と診断されている方は、お早めにご相談下さい。