醜状障害の後遺障害
以下では、交通事故による「醜状障害」の種類や後遺障害、賠償金について解説します。
醜状障害の種類
「醜状障害」とは、交通事故による怪我がもとで、治療をしても見た目が完全に元に戻らず、身体に傷跡やあざが残ってしまう状態です。
醜状の種類は大きく分けて3つです。
▽ 線状痕
外傷・手術によって生じる線状の傷
▽ 瘢痕
外傷・手術・やけどによって皮膚の色や質感が変化した状態
▽ 組織陥没
身体の組織にくぼみが残る状態
醜状の中でも、首や頭、顔などの露出する部分に残った場合は「外貌醜状」とされ、それ以外の部位に醜状痕が残った場合には単なる「醜状痕の障害」と言われています。
また交通事故による直接の受傷に限らず、手術によって発生した傷跡も後遺障害として認められます。
後遺障害の等級
醜状障害になった場合、「外貌醜状」や「醜状痕」として後遺障害が認定される可能性があり、それぞれ認められる等級が異なります。
外貌醜状の場合
首や顔、頭は人に与える印象が大きいので、比較的高い等級が認定されます。
・ 7級12号
外貌に著しい醜状を残すもの
・ 9級16号
外貌に相当程度の醜状を残すもの
・ 12級14号
外貌に醜状を残すもの
醜状痕の場合
腕や脚に醜状痕が残った場合は、外貌醜状よりは低い等級となります。
・ 14級4号
上肢の露出面に掌の大きさの醜い痕を残すもの
・ 14級5号
下肢の露出面に掌の大きさの醜い痕を残すもの
醜状障害で請求できる賠償金
一般的に交通事故で後遺障害が残ると、後遺傷害慰謝料や後遺障害逸失利益を請求できます。
しかし醜状障害の場合、直接的に身体の動きに不自由が生じるわけではないため、醜状痕が実際に仕事に影響する場合を除き、相手保険会社からは逸失利益の支払いを拒否されるケースが多くなります。
そこで、逸失利益が減額されたり否定された場合には、慰謝料を増額するなどの対応をもって、納得していただける賠償金額を目指しています。
*醜状痕を負った被害者は多大な精神的苦痛を受けます。思うように後遺障害認定を受けられなかったり賠償金が支払われなかったりして、お困りの際には、是非とも一度、当事務所までご相談下さい。