親族がお亡くなりになられた時
身近に死亡事故が起きたとき、どの段階で弁護士に相談すればよいか、不安を抱えつつも迷われる方もいらっしゃるようです。
当事務所では事故直後からご相談をお受けしていますので、まずは一度ご連絡いただき、お気持ちを楽にされてください。
死亡診断書の作成
事故被害者が亡くなられた際には、医師から死亡の事実を証明する書類として「死亡診断書」を作成してもらうことになります。
この書類は、主に役所に死亡届を提出する場合や、死亡保険金を請求する際に必要になるものですが、
また、死亡事故の示談や裁判などで、事故と被害者の死亡の因果関係を証明する場合にも必要になることがあります。
死亡診断書に、死因が交通事故であることが示されていない場合、死亡は交通事故が原因であるとは認められないとして、算定される損害額が大きく下がってしまうことがありますので注意が必要です。
例えば、「交通事故発生と死亡までに長く入院などの期間を経ている場合」などに、死因の表記が問題になることがあります。
具体的には、以下の2点を確認するようにしてください。
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死亡診断書の確認点
・「死亡の原因」という欄に記載されている事項が、交通事故に起因するものと明確に分かるようになっているか
・「死亡の種類」は、交通事故にチェックがされているか
死亡診断書の死因が交通事故ではない場合
もし、死亡診断書の「死亡原因」や「死亡の種類」が交通事故になっていない場合は、どうすればよいでしょうか。
死亡診断書の書き直しを要求できればよいのですが、これは非常に難しいです。
なぜなら医師が法律家ではないように、弁護士は医学の専門家ではないので、弁護士は、医学の専門家である医師による医学的な判断に口を出すべきではないからです。
そこで、考えられる方法としては、まず「病理解剖」を依頼して、臨床診断の妥当性を医師に確認してもらうというものがあげられます。もっとも、病理解剖は、亡くなった方の身体にメスを入れることになりますので、抵抗を感じる方も多いでしょう。
次の方法としては、示談や裁判の場で、これまでの診断書などを元に、死亡原因となっている「病気」だけではなく「交通事故」にも死亡との因果関係があることを主張していくことがあげられます。当事務所では、この主張に成功して、死因の一部が交通事故にあることが認められた事案があります。
相続の問題
ご遺族の方たちは、突然の交通事故で、気持ちの整理に苦しんでおられるかと思います。
しかし、交通事故による死亡であっても、「相続」に関しては通常の死亡と同じように手続きを進めていく必要があります。
特に、亡くなられた方が財産をたくさんお持ちの場合には、「相続税」が発生することがありますので、注意が必要です。
相続税の申告には期限があり、原則、死亡から10か月以内とされているからです。
事故後の対応の中での10か月は、一瞬で過ぎてしまうものです。
当事務所では、相続手続きも取り扱っておりますので、併せてご相談ください。